アガリクス

アガリクス・ブラゼイ・ムリルとは

アガリクス・ブラゼイ・ムリルの歴史

アガリクス・ブラゼイ・ムリルの原産地は、ブラジルの山岳地帯ピエターデ地方で、日本に紹介されたのは1965年。ブラジル在住の農業を営んでいた日本人がサンパウロ近郊の山中で日本にはない珍しいキノコが自生しているのを発見しました。
そのキノコはハラタケ属の分類学者ハイネマン博士により「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」(Agaricus blazei Murrill)という学名が与えられ、和名は元三重大学農学部教授の岩出亥之助博士により「ヒメマツタケ」が与えられています。その後、岩出博士は同じハラタケ属のマッシュルームの栽培法を改良することで1975年、世界で初めてアガリクス・ブラゼイ・ムリルの人工栽培に成功しました。免疫強化などのさまざまな薬理作用が発表されるなど、国内外から期待が寄せられました。
1990年代には栽培方法も確立し、アガリクスの安定生産が可能になったことから、健康食品としても流通されるようになりました。同じアガリクス・ブラゼイ・ムリルでも栽培方法、産地によって成分は大きく違うことが知られています。

アガリクス・ブラゼイ・ムリルの栄養素と成分

アガリクス・ブラゼイ・ムリルはカリウムやマグネシウムを多く含んでいるだけでなく、ビタミンB2やヒトの体内でビタミンDに変換されるエルゴステロール、リノール酸なども豊富に含んでいることが知られています。アガリクスの子実体には特徴的な多糖類であり高い抗がん作用を有する β-(1→3)-D-グルカンやβ-(1→6)-D-グルカンタンパク複合体や核酸が、菌糸体にはマンナン多糖が含まれていることがわかっており、現在も精力的に研究が進められています。

アガリクス・ブラゼイ・ムリルの有用性

1980年の「第39回日本癌学会」で、三重大学の伊藤均博士を中心とする研究グループがアガリクス・ブラゼイ・ムリル(ヒメマツタケ)の抗がん作用を発表。マスメディアに取り上げられ、注目を集めました。その後も研究が進み、がん細胞の増殖を抑制し、痛みを緩和する効果や免疫を強化する作用、血糖を下げる作用、肝臓病を予防するなどの働きをもつことが解明されてきました。さらに、がんを含む、これらヒメマツタケの効果は、これまで薬用キノコとして利用されてきたマンネンタケ(霊芝)などと比較しても、それを上回る強力な作用を持つこともわかってきました。